「モダンタイムス」ー伊坂幸太郎
伊坂幸太郎の本は、元々好きで、文庫化されたものは読んできたのだけど、
今回の「モダンタイムス」は、仕事をしていく中でも大切な事が多く書かれていたと思う。
特に気になったのが、「作業の分業化」のところ。
「たくさんの製品を製造して、管理機構を作って、最大限の効率化をはかる。
技術力、システム化が進む。すると、だ。分業かが進んで、
一人の人間は今、目の前にあるその作業をこなすだけになる。
当然、作業工程全部を見渡すことはできない。
そうなるとどうなるか分かるか?」
「人はただの部品だ」
「つまり、想像力と知覚が奪われる。」
「自分たちのはめ込まれているシステムが複雑化して、
さらにその効果が巨大になると、人からは全体を想像する力が見事に消える。
仮にその、【巨大になった効果】が酷いことだとしよう。
…
その場合、細分化された仕事を任された人間から消えるのは」
「【良心】だ。」
ここ。
自分が働いている中でも、こういう人間はいたし、今もいる。
その人がどうこうは、その人が決める事だからそれでいいと思うけど、
やっぱり「ただの部品」にはなって欲しくないなぁと思うのです。
自分はシステムのどこにいて
何のために何しているのか
それくらいは、分かって働いていて欲しい。